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静岡県版標準電子カルテプロジェクトで目指したものはなにか? |
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患者の疾病理解・医療理解の支援(患者が自分の診療データを見ることができる)、医療機関連携の推進、セカンドオピニオンの推進、無駄な重複検査の回避、医療の透明性の向上が期待される。さらに、標準化したデータを活用し、疾病対策、治験、災害時対策といった分野で改革が見込まれる。
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医療情報の「標準化」とは何か? |
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今までは、医療機関等で用いられている医療(病名、検査結果、処方等)の用語・コードやそれをやりとりする通信手段・規約が、それぞれの医療機関やシステム開発業者の間で共通化・共有化されてこなかった。そのため、病院相互や病院と診療所において医療情報のやりとりが困難な状態でもあった。この課題を解決することが「標準化」である。県版電子カルテでは、国際標準規格であるHL7を採用しており、HL7のデータ形式であれば、どんな社の病院情報システムにも接続することができる。
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「標準化」が進むと医療がどうかわるのか? |
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医療情報のやりとりが異なる医療機関の間でできるようになると、県民にとっては、医療情報の公開が進み、セカンドオピニオンが促進される。また、本プロジェクトでは紹介状のデータがCDでやりとりされ、多くの医療情報が正確に伝わるほか、検体検査や画像検査の重複検査が避けられ、コスト軽減につながる。
医療機関においても、院内のEBM(根拠に基づく医療)が推進され、機能分化が推進される。
また、県としても、県内病院における医療情報により疾病対策等へ有効活用が可能になる点が期待されると考える。
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他の地域における病診連携プロジェクトとどこが異なるのか? |
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他の地域においては、特定の地域中核病院と周辺の診療所等との間で連携しているプロジェクトとして進められているが、本プロジェクトは県全体のレベルで全ての医療機関が連携に参加可能なプロジェクトである。 |
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国に高い評価を受けた理由はどこにあると考えるか? |
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患者のデータを大切に扱い、患者の基本データは患者のものであるという患者本位のシステム設計をしてきたこと。また、医療機関のデータの事後活用や使いやすさ、また、将来的に標準化されたデータの利活用を想定して、設計されているところ。既に導入されている病院情報システムには変更を加えることなく導入できること。
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既に電子カルテを導入している病院はこの県版カルテを導入できないのか? |
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機能毎に部分導入が可能なシステムであり、導入することが可能である。紹介状や電子診療データ提供、定型文書等の機能を利用することができる。また、国際標準規格であるHL7でデータを出せるならば、どんな社の病院情報システムにも接続することができる。
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CD−ROMによる紹介状や患者情報の提供の試みは全国初か? |
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CD-ROMによる紹介状や患者情報の提供は他でもあるが、標準化された仕様やコード体系で多くの情報量を患者に提供できるものは、全国初と言って良いと思われる。
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何故CD−ROMか。ICカードやインターネットを活用しないのはなぜか? |
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オンラインでの情報のやりとりは県民のコンセンサスが得られる状態になった時点で検討したい。また、ICカードは、読み取り機を新たに購入する必要がある。よって、現状において医療機関、患者に広く普及しているCD−ROMを採用した。
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CD提供による個人情報保護対策はどのようにとられているか
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基本的には患者の意思による提供であるため、患者の自己責任であると考えている。
ただし、書類でのやり取りと違い情報量が多く高度な個人情報のかたまりでもあるため、情報提供にあたっては電子署名、暗号化といった保護対策を図っている。
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本システムが普及することで今後どのような医療の変革が見込まれるか? |
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病診連携の推進、無駄な重複検査の回避、患者が自分の診療データを見ることができ、セカンドオピニオンが受けやすくなるため、医療の透明性の向上が期待される。さらに、標準化したデータを活用して、疾病対策、治験、災害時対策といった分野で改革が見込まれると考える。
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診療所との連携はどうか? |
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病診連携を進めるうえでは、診療所においても県版と連動して紹介状のやりとりが可能なシステムが必要である。静岡県医師会では、診療所のIT化を促進する観点からも、県版と同じ紹介状形式、診療データ形式を用い、同じように電子紹介状の発行・受け取り、患者への電子診療データ提供・参照ができる機能を、既存の診療所向けのシステム(必ずしも電子カルテでなくてもよい)に付加してもらうシステムの開発を6社に依頼した。なお、県は、この医師会の事業に対して補助金を出して支援した。
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県版の開発ベンダ以外が当該システムの開発等に参入できないのか? |
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開発に関する全てのドキュメントを公開することにより、他のベンダも開発することが可能である。むしろ、県版で開発されなかった患者サービスの向上機能を普及させるためにも他のベンダに同様の機能を開発して頂きたいと考えている。県版の開発理念はシステムの共通化ではなく、通信手段・規約の手順の標準化でありシステムの統一化ではない。
また、国も開発ベンダ以外がこのシステムを導入することを支援するソフトを開発すると聞いている。
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県内病院への普及の目標は? |
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平成21年度までに400床以上の病院は導入率100%を目指す。中小病院においてもできる限り多くの病院が導入できるよう普及をしていく。
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県内導入予定病院はどこか? |
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年度内にも数病院が導入を進めており、18年度には現在11病院が導入を予定している。中核病院の導入が引き金となり、多くの中小病院や診療所でもこうした情報交換ができることを期待している。 |
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今後の県内病院への普及策は? |
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昨年度末に県内病院を担当している医療情報システムベンダを集めて、説明会を実施した。
導入を希望する病院に対して、個別に説明会を開催している。また、ホームページを開設し導入を促進する予定でもある。
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普及に当たってネックとなる課題は何か? |
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院内(特に大病院)における導入の意思形成であり、院長によるトップダウンができるかどうかがカギであると思われる。そのほか、マイナス診療報酬の中での導入経費の捻出が困難な状況とも思われる。できれば、電子紹介状加算といった国の診療報酬側からの後押しが望まれる。 |
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全国への配布はどのように行われるのか? |
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具体的には国と調整するが、普及のためのツールを開発し、例えばシステムをインターネットでダウンロードできるようにしたり、開発業者以外でも導入ができるよう支援するドキュメント等を開発することになると思われる。
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HIS(ヒスまたはエイチアイエス) Hospital Information System |
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病院情報システムは診療報酬処理から発展し、業務管理システムとして多くの医療機関で活用されるようになった。現在では、せっかくの情報を業務管理だけでなく患者の診療に役立てるシステムへと拡張するために、調剤依頼や検査依頼のオンライン化や電子カルテ化なども検討されている。 |
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HL7(エイチエルセブン) Health Level Seven |
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医療情報交換のための国際標準規約で、患者管理、オーダ、照会、財務、検査報告、マスタファイル、情報管理、予約、患者紹介、患者ケア、ラボラトリオートメーション、アプリケーション管理、人事管理などの情報交換を取り扱う。 |
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HOT(ホット) |
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標準薬剤コードで数字13桁で構成されている。大きく3つに分類されている。
HOT7 処方用 7桁 6桁 + CD
HOT9 調剤用 4桁 会社識別2桁, 包装用2桁
HOT11 物流用 2桁 包装携帯識別, JANコード対応用 |
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JLAC(ジェイラック) |
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日本臨床検査医学会臨床検査項目分類コード 第10回改訂版(JLAC10)
臨床検査項目分類コード(以下「項目コード」という)」は5つの要素区分よりなり、それぞれ(1)分析物コード,(2)識別コード,(3)材料コード,(4)測定法コード,(5)結果識別コードと称する。
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DICOM(ダイコム) Digital Images and Communication On Medicine |
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医用画像データのための国際規格。 |
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MERIT-9(メリットナイン) MEdical Record, Image, Text, - Information EXchange |
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診療情報提供料算定に必要な診療情報提供書(様式6)に完全に準拠した診療情報提供を電子的に行なうための規約。 |
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CDA Clinical Document Architecture |
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HL7(上記)のうち、いわゆる電子カルテを含む、診療に関する文書(Clinical Document)を
電子的に交換する際の主としてXMLによる表現を定めた標準。 |
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J-MIX(ジェイミックス)The Japanese Set of Identifiers for Medical Record Information Exchange
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電子保存された診療録情報の交換のためのデータ項目セット。 |
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PACS(パックス) Pictures Archive and Communication System |
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検査画像を保存・管理し、有効に伝達・活用するためのシステムのこと。この時、医療画像の国際共通規格であるDICOMを利用する。
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Copyright c 2005 Michio Kimura, Department of Medical Informatics,
Hamamatu University Hospital. All rights reserved. |
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